2011年08月01日

すまい・くらしVol.3-2 2011.8.3発行


特集:東日本大震災
東日本大震災:3・11から5ケ月が経とうとしています。被災地の皆様猛暑の中其々の立場で懸命に復旧、復興に汗を流されていることと存じます。
今回「東日本大震災」を特集、立場の違う3者の会員様のレポートをご紹介致します。
1は気仙沼市の梶原建設様、2は被災地の知人をお見舞いに行かれた鞄本経営の白石様、3は、震災後、避難住宅の借り上げ制度に登録された高田建築事務所様です。

* * * * *

会員企業紹介15-1

        
vol3-2-1kajiwara.jpg梶原建設(宮城県気仙沼市) 

専務 梶原 雄二 様

弊社は、宮城県気仙沼市唐桑町の工務店です。気仙沼中心地より東に位置する太平洋を望む唐桑半島の高台に事務所と工場があり、祖父の代より創業70年、地元唐桑町で新築やリフォームを手掛けています。


vol3-2-1-2.jpg

3月11日の当日、お客様宅へ支援センターの「登録住宅いえかるて」の書類等を持参する予定でしたが、朝から来客の対応に追われ、昼からも事務所から出る事ができないままでした。
社員や大工さん達が事務所横の工場で後片付けしている最中突然ドカーンと突き上げ、横揺れの地震で宮城県沖地震が来たと思いましたが、揺れが今回はちょっと変わっていたので宮城県沖地震では無いと感じました。
揺れが中々収まらず、2分〜3分近く揺れていましたが、
建物も大丈夫で、だれも怪我もなかったです。
揺れが落ち着いた頃、町内の防災無線が津波警報を出しました。いつも無線の音は聞き取れないので直ぐラジオをつけると大津波警報が出て、震源は三陸沖であることを確認しました。子供の事が気になり自宅へと向かう途中大勢の方々が浜の方から車や徒歩で避難してきました。
家と子供の無事を確認していると、海岸方面から避難して来た人達から「太平洋側には津波が来た」とか「津波は郵便局前まで来ている」と聞いたその直後に、突然、『バリバリ、ガラガラ』と、物凄い音と土煙が見えました。急いで旧唐桑小学校址の方へ行って海の方を見ると津波が自宅から100m下位まで来ていました。突然の事で津波だと叫ぶ声は誰もなかったです。2波、3波が来ると思い、自宅へ戻りカメラを手に、海岸の方へ行くと、唐桑町宿地区で80戸ぐらいが津波で流失していました。
唐桑町内全戸2000戸の内、500戸位、約1/4が大津波によって流されました。その中には「登録住宅いえかるて」に登録したお客様宅もあり、残念で仕方がありません。

vol3-2-1-3.jpg


その後、お客様宅は4月上旬に解体致しました。
事務所と工場、自宅、避難先の小学校は高台にあった為、津波の被害は免れました。また、家族や従業員も無事でした。
道路やライフラインが寸断され、ガソリンも手に入らなかった為、通常車で20〜25分位で行ける気仙沼市街地まで3月20日頃まで行く事が出来ず、陸の孤島状態でした。しかし、祖父が敷いた簡易水道が無事で、食糧も親戚で寄せ集めると約3週間分ぐらいはありましたので、なんとかなりました。
vol3-2-2-2.jpgvol3-2-2-3.jpgvol3-2-2-1.jpg

震災直後は、まず、車を通す為に道路上の瓦礫等を人の手で出来る所からやっていき、少しずつ機材も入れて道路に車が通れるようにしました。平行してお客様の無事の確認、お客様宅が無事か否か、損傷具合などを確認して回りました。
私は「応急危険判定士」として応急判定にも行きました。地震での判定経験はありますが、津波での判定ははじめてでした。当初は判定用の紙さえ入手困難な状態でしたので、「倒壊の危険あり」など手書きで書いた紙を貼って行きました。住宅を判定しているところで流された家に探し物を取りに戻ってくる人も多く、その方々に家の危険状態をご説明しました。
震災から1カ月半後の4月20日頃にようやく電気が復旧し、パソコンで見積書も工程表も作成出来、ようやく仕事らしい仕事に取り掛かる事が出来ました。それからさらに1ヶ月後の5月22日に、ようやく電話が復旧、FAXやメール、インターネットが使えるようになり、支援センターとも直接電話で話すことが出来ました。
今では、被災されていない地域のお客様からいただいていたリフォーム工事等の通常業務の他、被災された家の修理や修繕などを行っています。


* * * * *

会員企業紹介15-2

vol3-2-2siraisi.jpg(株)日本経営(大阪府豊中市) 

白石 正和 様


6月25日、仙台空港から石巻へ。
三陸自動車道は、継ぎ目に大きな段差が出来ているため、アスファルトでその段差を補修して走行が出来るようにしてありました。vol3-2-2-2.jpg
各車両、撥ねるように走っていますので場所によってはスピードをセーブしなければなりません。朝晩はラッシュで渋滞しています。
石巻市から北上川沿いを追波湾に向かって進むと、R397の分岐にあの大川小学校があります。
100人少しの生徒のうち70名以上が津波に流された小学校です。高台ではなく、川の堤防沿いに川上に向かって逃げた生徒が皆津波に飲み込まれたそうです。言葉も出ず、ただ立ちつくすのみです。
そのままR397を進むと、雄勝の町があります。あったはずです。
が、そこには何もありませんでした。建物があったであろう基礎部分が、かろうじてその面影を残しているのみです。
雄勝湾は入り口が広くて中に行くほど狭く細くなっていく形状です。よって津波の威力がどんどん集約されて、大きな力となって町を襲ったということでした。
果たしてこの場所にまた戻ってきて、再度家を建てようと思えるのか?
住民の皆様のお気持ちを察すると胸が詰まる思いでした。
 さらにR397を進みますと、海岸線に小さな集落がいくつもありますが、そのすべてが同じようにほぼ壊滅状態、町として機能はしなくなっています。



その先に女川の町があります。
友人の建設会社がありまして、町の現状について話が聞けました。vol3-2-3女川.jpg
まず目を引きましたのは、コンクリートの建物が横倒しになっている景色です。それも4階、5階建ての建物が横倒しに倒れています。しかも驚くべきは、その建物の基礎杭がついたまま倒れています。
目を疑いました。果たしてどういう力が働けばこういう状態になるのか? 原因は、地盤にあるそうです。女川の地盤は非常に軟弱で、地震発生直後から液状化が始まり、そこに津波が押し寄せました。津波の横向きの力と浮力によって建物自体が基礎杭ごと地面から引き抜かれたということのようです。
津波は20メートルはあろうかという高台の町立病院まで達し、海岸線の水産加工工場はもちろん、奥に広がる住宅地まですべてを飲み込みました。
地盤は1.2メートル沈下しているそうで、何をするにも
そのかさ上げをしない分にはどうにもならないとのことでした。



vol3-2-3仙台.jpg女川から石巻へ、石巻港からまた仙台へ戻りました。海岸線はどこも同じ惨状。
仙台も仙台東有料道路を挟んで東と西ではまったく別の景色。海岸線は同じく何もありません。
住宅地の瓦礫の撤去は大分と進んでいるようですが、田畑はまだ手付かずで、田んぼに車が刺さったまま。防風林が根っこごと引き抜かれ、そこらじゅうに転がっています。
まだまだ原状回復には程遠く、復興には膨大なお金と時 間がかかると思われますが、現時点の政権ではどうにも話が進まない。動かない政治と何も出来ない自分に歯がゆさばかりがつのりますが、唯一石巻の友人が思ったより元気で救われました。
「起こったことはしょうがない。また頑張るべ。」明るく話してくれたのが印象的で、それに比べれば我々が日々悩んでいることなど本当に小さなことだと思い、逆に元気をもらった気がしました。
日本人は強い。東北は必ず復活する。そう確信して26日に帰ってきました。




* * * * *



(株)高田建築事務所(新潟県長岡市) 不動産部門 様
3月11日の東日本大震災が発生後、新潟県で避難住宅借り上げ制度の募集があり、弊社は不動産部門があるので、弊社としてまず出来る事として、借り上げ制度の登録を致しました。
今のところ、県の借り上げ制度への応募はございません。
それとは別に、震災後に新潟県に支店がある企業さんが、弊社の物件を寮として借りて頂き、たまたま被災地から新潟県に転勤になったご一家が入居されました。
弊社全員で義損金を集めて関係団体にお送りは致しましたが、被災地や被災者の方々へのお手伝い・・・といえるようなものが出来ているのかどうかと思っています。




今回、当ニュースレターにご寄稿頂きました皆様、誠にありがとうございました。
今後も定期的に掲載を予定いたしています。被災地の方、応援、ボランティア、お見舞い等に行かれた方の簡単なレポートをお待ち致しています。





セミナー開催予定一覧

日 付
時 間行事名場 所
8/3(水)925180522回 住宅メンテナンス診断士講習会(大阪会場)大阪府社会福祉会館
8/9(火)15001700 登録住宅いえかるてWEB操作説明&体験セミナー支援センター 事務所内
8/24(水)15001700登録住宅いえかるて」ショートセミナー支援センター 事務所内
8/25(木)15001700登録住宅いえかるてWEB操作説明&体験セミナー支援センター 事務所内
8/30(火)16001800防災勉強会(仮題)支援センター 事務所内
9/3(土)13301530タイアップセミナー 賢くリフォームする!「補助金等支援センター制度のいろいろと住宅履歴情報の活用」大阪市住まい情報センター
9/6(火)15001700「登録住宅いえかるて」ショートセミナー支援センター 事務所内
9/7(水)15001700登録住宅いえかるてWEB操作説明&体験セミナー支援センター 事務所内
9/14(水)14001600木について学ぼう!乾燥材、集成材について(仮題)東京都中小企業会館
9/20(火)15001700登録住宅いえかるてWEB操作説明&体験セミナー支援センター 事務所内
9/28(火)15001700登録住宅いえかるて」ショートセミナー支援センター 事務所内
9/29(木)15001700登録住宅いえかるてWEB操作説明&体験セミナー支援センター 事務所内
11/9(水)925180523回 住宅メンテナンス診断士講習会テキスト.jpg 住宅業界従事者のスキルアップ研修です。耐震診断手法のポイントも学べます。年齢、資格等の条件は設けていません。どなたでも受講いただけます。       【東京会場】私学事業団 講堂

※セミナー等の問い合わせ、お申し込みは、支援センター事務局まで。




 
1108裏表紙1.gif1108裏表紙2.gif
1108裏表紙3.gif
posted by ちょうほ at 22:51| 兵庫 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュースレター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする